AIで作った画像・文章の著作権は?副業で売る前の確認ポイント【2026年版】文化庁の考え方と事例

AIで作った作品の著作権 副業で売る前に確認 文化庁の考え方と事例

この記事で分かること

  • 侵害になるのは既存作品との「類似性」と「依拠性」がそろったとき(文化庁の考え方)
  • AI生成物に著作権が認められるかは、人の「創作的寄与」の大きさで決まる
  • 売る前の5つの確認:規約・プロンプト・似ていないか・販売先のルール・制作記録

⏱ 30秒で選ぶなら:副業で売るなら、商用利用できるツールで作る/作家名・作品名をプロンプトに入れない/既存作品に似ていないか画像検索で確かめるの3つを習慣にする

🔍 他ツールとの違い:画像生成AIごとの商用利用の条件はAI画像生成ツールおすすめ6選、販売先のルールはAI画像生成で稼ぐ方法と規約の注意点へ

AIで作った画像や文章を、ココナラ・電子書籍・素材サイトなどで売る人が増えています。そこで出てくる疑問は大きく2つです。

  • 売ったら、誰かの著作権を侵害しないか
  • 自分の作品として、著作権で守られるのか

この記事では、文化庁が公表している「AIと著作権に関する考え方について」を一次情報として、侵害になる条件・著作権が認められる場合・実際の事例を整理し、副業で売る前に確認したい5つのポイントをまとめます。

この記事は一般的な情報の整理で、法律相談ではありません。個別の判断は弁護士などの専門家に相談してください。

目次

結論:AIと著作権の要点

疑問 文化庁の考え方(要点)
AIで作った物を売ると侵害になる? 既存作品との類似性と依拠性がそろえば侵害になり得る。AIを使ったかどうかで基準は変わらない
AI生成物に著作権はある? ボタンを押しただけなら著作物に当たらないと考えられる。人の創作的寄与があれば認められる場合がある
「〇〇風」の画風は? 作風がアイデアにとどまるなら侵害にならない。具体的な表現まで似れば侵害になり得る
学習に使われた作品は? 学習(開発)段階は著作権法30条の4で原則許諾不要。ただし例外がある

文化庁「AIと著作権に関する考え方」とは

文化審議会著作権分科会の法制度小委員会が2024年3月15日に取りまとめた文書です。AIに関する判例がまだ少ないため、現行の著作権法がAIにどう当てはまるかを、法学者・弁護士・裁判官などの有識者が整理しました。

ポイントは、法的な拘束力はないことです。あくまで「公表時点での審議会の考え方」で、最終的な判断は裁判所が行います。それでも、日本で副業をする人にとっては最も信頼できる目安になります。

この文書は、問題を次の3つに分けて考えています。

  1. AI開発・学習段階:作品を集めてAIに学習させること
  2. 生成・利用段階:AIで画像などを作り、SNSに投稿したり販売したりすること
  3. AI生成物の著作物性:AIで作った物そのものに著作権があるか

副業で関係が深いのは2と3です。

侵害になる条件:「類似性」と「依拠性」

AIで作った画像を投稿・販売する場合も、通常の著作権侵害と同じ基準で判断されます。侵害になるのは、次の2つがそろったときです。

  • 類似性:既存作品と、創作的な表現が共通している
  • 依拠性:既存作品をもとにして作った

注意したいのは依拠性の扱いです。文化庁の概要版では、AIの学習データにその作品が含まれていた場合、利用者がその作品を知らなくても、通常は依拠性があったと推認されるとされています。つまり「そんな作品は知らなかった」だけでは通りにくい、ということです。

また、生成すること自体が許されていても、SNSへの投稿や販売まで当然に許されるわけではないとも書かれています。たとえば、自分で楽しむための生成は私的使用として許される場合がありますが、それを売れば別の判断になります。

AIで作った物に著作権が認められる場合

文化庁の考え方では、人がほとんど指示を与えずに「生成」ボタンを押しただけの物は、著作物に当たらないと考えられています。一方、人がAIを道具として使い、創作的な寄与があれば、著作物になり、利用者が著作者になり得ます。

創作的寄与の判断材料として、次のような例が挙げられています。

判断の材料 文化庁の考え方(要約)
指示・入力の内容 創作的な表現を具体的に示す詳細な指示は、寄与ありと評価されやすい。長いだけでアイデアの指示なら影響しない
生成の試行回数 回数が多いだけでは影響しない。結果を見て指示を直しながら繰り返す場合は認められることもある
複数の候補から選ぶ 選ぶだけでは影響しない
生成後の加筆・修正 人が創作的な加筆・修正をした部分は、通常その部分に著作物性が認められる

副業で大事なのは、著作権で守られないなら、他人にコピーされても主張しにくいという点です。「独占的に使えます」と説明して売るのは避けましょう。

日本と海外の事例

時期 国 内容
2023年11月 中国 北京インターネット法院が、Stable Diffusionで作った画像を著作物と認めた
2025年3月 米国 連邦控訴裁判所(Thaler v. Perlmutter)が、AIだけで作った作品は著作権登録できないと判断。人が著作者であることが必要
2025年6月〜 米国 ディズニー・ユニバーサルなどが、自社キャラクターを生成できるとしてMidjourneyを提訴。2026年時点で係争中
2025年11月 日本 千葉県警が、AIで作った画像を無断で電子書籍の表紙に使った男性を著作権法違反の疑いで書類送検。AI生成画像を著作物として扱った摘発は全国初とみられる
2026年9月 日本 東京地裁が、人気声優の声をAIで模倣した動画をめぐる裁判で、声もパブリシティ権で守られ得ると初めて判断(請求は動画削除済みのため棄却)

千葉の事案では、作者が具体的な指示と修正を繰り返して画像を作っていたことから、県警は著作物に当たると判断したと報じられています。文化庁の「創作的寄与」の考え方と重なりますが、裁判所の判断ではなく、捜査段階の判断である点は押さえておきましょう。

副業で売る前の5つの確認

ステップ1:ツールの商用利用条件を確かめる

著作権とは別に、AIツールの利用規約で商用利用が認められているかを確認します。無料プランでは商用利用できない、生成物の権利の扱いがプランで違う、といったツールもあります。

ステップ2:作家名・作品名・キャラクター名をプロンプトに入れない

特定の作家名や作品名を入れると、既存作品に似た物が出やすく、依拠性も疑われやすくなります。既存の画像を読み込ませて加工する(image-to-image)使い方も同じです。売る物を作るときは、プロンプトを色・構図・雰囲気など一般的な言葉で組み立てましょう。

ステップ3:既存作品に似ていないか確かめる

完成した画像は、Googleレンズなどの画像検索にかけて、よく似た作品がないかを確かめます。有名なキャラクター・ロゴ・建物が写り込んでいないかも見ます。文章の場合は、コピペチェックツールで既存の記事と一致する部分がないかを確認します。

→ 文章の副業での注意点:AIライティング副業の始め方

ステップ4:販売先のルールを読む

販売先ごとにAI生成物の扱いが違います。

  • Amazon KDP:AIで作った文章・画像・翻訳を含む本は、出版時に申告が必要(AIで校正・アイデア出しをしただけなら不要)
  • ココナラ:AI生成イラストを納品物にする出品などが禁止されている(詳しくは AI画像生成で稼ぐ方法と規約の注意点)

ルールは変わるので、出品の前に各サービスの公式ヘルプを確認してください。

ステップ5:制作の記録を残す

プロンプト、指示を直した過程、加筆・修正の前後のファイルを保存しておきます。万一トラブルになったとき、自分で作った(既存作品をもとにしていない)こと、創作的に関わったことを説明する材料になります。

著作権以外にも気をつけたいこと

  • 声・顔:実在の人の声や顔をまねた生成は、著作権ではなくパブリシティ権・肖像権の問題になり得ます。法務省は2026年8月に、生成AIによるパブリシティ権侵害の解釈指針を公表しています。声を扱うなら ElevenLabs の規約もあわせて確認しましょう
  • 商標:ロゴやブランド名を入れた商品は、商標権の問題になり得ます
  • 収益の見込み:権利面をクリアしても、売れるかどうかは別です。収益は保証されません

副業で稼いだら、確定申告が必要かも確認しておきましょう。 会社員の場合、副業の所得(売上−経費)が年20万円を超えると所得税の確定申告が必要になり、20万円以下でも住民税の申告は必要です。売上と経費を入れるだけで判定できる無料ツールを用意しました → 副業の確定申告が必要か30秒で判定する

よくある質問

Q. 個人で楽しむだけなら、AI画像生成で著作権を気にしなくていいですか? A. 自分で楽しむための生成は、私的使用として許される場合があると文化庁は整理しています。ただし、SNSに投稿したり売ったりすると、改めて侵害かどうかが問われます。

Q. 「ジブリ風」など特定の画風で作った画像は売っても大丈夫ですか? A. 画風がアイデアにとどまるなら著作権侵害にはならないとされています。一方、特定のキャラクターや場面など具体的な表現が感じ取れれば侵害になり得ます。商標や販売先の規約の問題もあるため、売り物には使わないのが無難です。

Q. AI画像が著作権を侵害していないか、確認する方法はありますか? A. 完全に確かめる方法はありません。画像検索で似た作品がないかを見る、作家名・作品名をプロンプトに入れない、商用利用できるツールを使う、の3つでリスクを下げられます。

Q. AIで書いた文章にも著作権の問題はありますか? A. 画像と同じ考え方です。既存の文章とそっくりな部分があれば侵害になり得ます。また、ボタンを押しただけの文章には著作権が認められない可能性があります。自分で構成を考え、加筆・修正することが大切です。

Q. 困ったとき、どこに相談できますか? A. 文化庁は 文化芸術活動に関する法律相談窓口 を設けています。具体的なトラブルは弁護士に相談してください。

まとめ

  • AIで作った物の侵害判断は、通常と同じく類似性と依拠性。学習データに含まれていれば「知らなかった」は通りにくい
  • AI生成物に著作権が認められるかは、人の創作的寄与しだい。ボタンを押しただけなら認められないと考えられる
  • 売る前に、ツールの規約・プロンプト・似ていないか・販売先のルール・制作記録の5つを確認する

→ AI副業の全体像:AI副業の種類まとめ → 各ツールの料金と商用利用の条件は AIツール料金早見表 へ。


情報確認日:2026年10月26日/文化庁の「考え方」は今後見直される可能性があります。各ツール・販売先の規約も変わるため、最新情報は各公式サイトをご確認ください。

参考:文化庁「AIと著作権」(「AIと著作権に関する考え方について」本文・概要版)/Amazon KDP コンテンツガイドライン/法務省「肖像、声等の無断利用による民事責任の在り方に関する検討会」

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